住宅ローンは金額の大きなローンであることに加え、申し込む機会も一生に一度あるかないかであるため、申し込みや審査の時にいろいろ不安を覚える方が多くいらっしゃいます。中でも最も多い不安に挙げられるものとして「クレジットカードの所持や利用が住宅ローン審査にどれくらい影響するのか?」があります。

クレジットカードを持っていたら審査に悪影響が及ぶ、キャッシング枠があると即審査落ちになってしまうなど、ネット上では根も葉もない情報や口コミが蔓延しています。これから住宅ローンを申し込む方がこれらの情報を目にしてしまうと、混乱してしまうのも無理ありません。

確かにクレジットカードを持っていることやカードの利用状況によって、住宅ローン審査への影響はあります。しかしそれは何も悪い影響だけではありません。適切な利用を長く続けていれば、審査を有利に進めることが出来ますし、仮に延滞や滞納があったとしても、回数によっては悪影響が及ばないことも十分にあるのです。初めて住宅ローンを申し込む場合、真贋さまざまな情報を目にして頭を悩ませてしまいがちですが、初めてだからこそ確かな情報を知り得て、不安を取り払った状態で審査に挑みたいものですね。

そこで今回は、住宅ローン審査においてクレジットカードのキャッシング利用がどう影響するのかをご紹介致します。

クレジットカードは住宅ローンの審査に影響する?

クレジットカードは住宅ローンの審査に影響する?

意外に思われるかもしれませんが、クレジットカードの利用は住宅ローンに大きく影響します。なぜなら、普段買い物やキャッシングを用いる時にはあまり意識しませんが、クレジットカードの利用はあなたが一時的にカード会社からお金を借りていることに他ならないからです。

住宅ローンは数千万単位のお金を借りる非常に大きなローンです。貸し出す銀行側も「この人にお金を貸しても、キチンと返してもらえるだろうか?」と、カードローンや自動車ローンを提供する時以上に慎重になります。

この時銀行が重視するのが、クレジットカードやカードローンなどの過去の利用実績です。毎月収入に見合った適切な金額のカード利用があり、きちんと期日通りの返済が行われている場合には「この人なら大口のローンを組んでも大丈夫そうだ」と見なされ、審査にプラスの影響が及びます。

クレジットカードで延滞・滞納した場合は大丈夫?

クレジットカードで延滞・滞納した場合は大丈夫?

一方、延滞や滞納などの記録が多くあった場合にはマイナスの影響が及びます。少額の借金でも上手く返済できていない場合、住宅ローンを組んでも返済が滞ってしまう可能性が高く、審査も否決となる可能性が非常に高いのです。そのため、近い将来住宅購入を検討している場合、クレジットカードの利用はもちろんのこと、特に支払いにおいては未払いや引き落とし未済を起こしてしまわないよう、十分に注意することが重要です。

1度や2度なら大丈夫 けれどそれ以上は要注意

実際のところ、1度や2度の支払い忘れくらいであれば審査に大きく響くことはありません。住宅ローンを特集するWEBメディアや雑誌の多くでは「1回でも支払い延滞があったらアウト!」と警告する記事が多く見受けられますが、些細な支払いミスはかなりの高頻度で行われている現実があるからです。仮に引き落としミスがあって信用情報に記録されてしまった場合でも、それが1~2回くらいであれば審査に響く可能性は最小限に留められます。

しかし、これはあくまで1~2回に留まった場合の話です。毎月のように延滞を起こしていたり、ずっと未払いが続いて「長期延滞」と信用情報に記録が付いてしまった場合、高確率で審査落ちとなってしまいます。

もちろん未払いを起こしたくて起こす人などどこにもいません。しかし住宅ローンの借り入れを視野に入れている場合には、こうした延滞の頻発は絶対に避けましょう。

住宅ローンの審査中にクレジットカードでキャッシングするのは良くないのか?

住宅ローンの審査中にクレジットカードでキャッシングするのは良くないのか?

もし住宅ローンの審査中に大きな出費があり、手元の預金で賄いきれない場合には、クレジットカードのキャッシングが一つの方法として思い浮かぶことでしょう。でもその一方、審査の真っ只中に新たな借り入れを行うことに不安を感じる方も決して少なくありません。

安全第一で行くのであれば、審査が終わった後にキャッシングを行うことが理想的であることはいうまでもありません。しかし急な出費の場合、そこまで時間的な猶予がないことがほとんどです。この場合はどうすればいいでしょうか?

借り入れ前に銀行へ相談・報告を忘れずに

ご安心ください。キャッシングをしたからといって、それが原因で即審査落ちになってしまうといったことはありません。ただし審査に何らの影響が及んでしまうことは確実です。そのため、まずはキャッシングを行う前に、どんな理由でいくらのお金が必要になり、これをキャッシングで借り入れても住宅ローンの返済には何も影響しないことをあらかじめ銀行の住宅ローン担当者へ相談しましょう。そうすれば審査にどのくらいの影響が及ぶかをあらかじめ確認することが出来、審査結果に響く場合には事前にストップをかけてもらうことも出来ます。

住宅ローン審査中にクレジットカードは作れるのか?

審査中のキャッシングは、場合によっては慎重になる必要があることはただ今ご紹介したとおりです。ではクレジットカードの新規発行については、一体どのくらいの影響があるのでしょうか?

クレジットカードの新規発行の場合、住宅ローン審査に影響が及ぶことはほとんどありません。ショッピング利用の場合、利用代金は翌月の支払日に一括で支払われることが一般的なため、住宅ローンの返済にはなにも差し支えないと考えられているからです。

また今日ではデパートやスーパーの発行キャンペーンなどで新たにカードを作る機会が多々あり、新しくカードを1~2枚作ったくらいで住宅ローン審査に影響してしまっては、誰もローンを組めなくなってしまいます。従って、新規発行について影響が及ぶことはまったくの心配無用です。

どうしても心配な場合 一括払い専用・キャッシング枠ゼロで申し込めば尚安心

どうしても心配な場合 一括払い専用・キャッシング枠ゼロで申し込めば尚安心

とはいえ、どんなに大丈夫と言っても心配になる方がいらっしゃるでしょう。そんな心配症な方には、カードを作る際にこの2つを意識して頂ければ、尚のこと安心です。

1つ目は、支払い方法をリボ払いではなく一括払いにすること。最近は毎月の返済を自動的にリボ払いに設定するカードが多々ありますが、リボではなく一括払いにすれば、住宅ローンを組む時に参照される信用情報には何の影響もありません。

2つ目は、キャッシング枠をゼロにして申し込むこと。クレジットカードのキャッシング枠は、たとえ1円も借り入れていなくても満額利用していると仮定して審査が行われます。10年単位のローン契約期間中、今は利用ゼロであっても、何かの理由でキャッシングを利用する可能性が十分に考えられるからです。

もちろん、新しく発行したカードにキャッシング枠があるだけでローン審査に落ちてしまうといったことはまず考えられません。しかしながら、どうしても心配な場合にはキャッシング枠をゼロに設定し、ショッピング利用のみのカードとして申し込みを行いましょう。

こうすることで、クレジットカードの新規発行が住宅ローン審査に及ぶ影響は最小どころか、ゼロに出来ます。

まとめ

キャッシングの利用と住宅ローンの審査の関係について、ご紹介致しました。住宅ローン審査は何かと心配の種が尽きないものですが、たとえクレジットカードのショッピング・キャッシング利用があっても、それが適切なものであれば何も心配いらないことがお分かりいただけたかと思います。

クレジットカードを1枚も持っていない人がほとんどいない今日、住宅ローンを組んで一戸建てやマンションを購入している方は大勢いらっしゃいます。もしカードを保有・利用しているとローンが組めない場合、誰も家を買えなくなってしまいますよね。滞納や使い過ぎさえなければ、クレジットカードのキャッシングが住宅ローンへ及ぶ影響はほとんどありません。唯一あるとしたら……情報が少ないことによって抱いてしまう過剰な不安が、唯一最大の影響であるといえるでしょう。けれど本記事をお読み頂いたあなたであれば、この過剰な不安とも一切無縁です。

住宅ローン申し込みの際に参考にして頂ければと思います。

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