クレジットカード現金化会社を開業するには?

クレジットカード現金化は、1990年代から20年以上に渡って安定した需要が続いているビジネスです。

近年では開業の敷居が低いネット型店舗が増加したことで、クレジットカード現金化はより身近なサービスになっています。

クレジットカード現金化は低コストで参入できるビジネスモデルとしても注目されており、「現金化業者として独立開業したい」という人が増え始めています。

当記事では、クレジットカード現金化会社を開業するにあたって、よくある疑問(必要な資格や開業資金など)に答えていきます。

クレジットカード現金化を開業するメリット

クレジットカード現金化業者として開業すると、次のようなメリットがあります。

  • 潜在的顧客が多い日本全国(国内のクレジットカード発行総数は2億枚以上)がマーケット対象になる
  • 最低限の通信環境(インターネット、電話、FAX)があればビジネスを始められるので、開業資金が少なくて済む
  • 小規模で開業できるので、土地代や人件費を抑えられる
  • 利用者の来店が不要で、完全オンラインによる低コスト運営が可能
  • 貸金業者のように元本・利息を回収する手間や貸し倒れリスクがなく、100%回収できる
  • 開業にあたって高度な知識・技能や人脈が不要
  • 官公庁への営業許可申請が不要(買取り型の現金化業者の場合は古物商営業許可が必要)

クレジットカード現金化の開業に必要な資格・許認可は?

クレジットカード現金化の開業に必要な資格・許認可は?


クレジットカード現金化業者の開業に必要な資格・許認可は、「買取り型」と「キャッシュバック型」のどちらの方式で現金化を行うかによって異なります。

買取型の店舗に必要な資格・許認可

買取型とは、申込者がクレジットカードで購入した商品を業者が買取ることで現金化する方式です。
申込者が購入した商品は新品の状態でも、業者が買取る際には「中古品」扱いとなります。

したがって、買取り型の現金化業者は中古品買取り業者(例:ブックオフやゲオ)と同様に「古物商営業許可」を得なければなりません。

無許可で中古品の買取りを行った場合、「100万円以下の罰金・3年以下の懲役」という重い罰則が科されます。

キャッシュバック型の店舗に必要な資格・許認可

キャッシュバック型とは、申込者が業者の販売する商品をカード決済で購入し、業者が商品代金の一部をキャッシュバックすることで現金化する方式です。

現金化業者は商品販売用のECサイト(通販サイト)を開設する際、クレジットカード決済を導入するためにカード会社と加盟店契約を結ばなければなりません。

加盟店契約を行うには、カード会社の加盟店審査基準(商品の販売実績や事業の継続年数などの基準)を満たしている必要があります。

しかし、クレジットカード現金化はそもそもカード会社の利用規約に違反しているので、現金化業者として申請すると確実に審査に落ちてしまいます。

したがって、クレジットカード現金化の営業用サイトとECサイトは別個に運営し、加盟店契約の際はあくまでEC事業者として申請しなければなりません。

 

クレジットカード現金化業を行うのであれば、海外の「決済代行会社」を通じて加盟店契約を行うのがおすすめです。

決済代行会社とは、EC事業者に対して加盟店契約やカード決済システムの導入をサポートしてくれる会社のことです。

決済代行会社を利用すれば、複数のカード会社とまとめて加盟店契約を行うことが可能で、決済システムの管理がしやすくなります。

海外の決済代行会社は海外のクレジットカード会社と契約しているので、日本国内の厳しい法律や規制に縛られていません。

このため、国内のカード会社・決済代行会社よりも加盟店審査の基準が緩くなっており、現金化業者でも審査に通る可能性が高くなります。

クレジットカード現金化は儲かる?

クレジットカード現金化には買取型、キャッシュバック型という2つの仕組みがありますが、それぞれ儲かることはできるのでしょうか?

買取型は儲かるのか?

買取型は、客に現金化を希望する金額を聞き、それに見合った商品を購入するよう指示してクレジットカード決済で購入してもらい、その商品を買取って客の銀行口座に現金を振込みます。
次に客から買取った商品を転売し、売却金額から客に支払った現金、銀行振込手数料などのコストを引いて、残った金額が業者の利益になります。

たとえば、客が5万円の現金化を希望している場合、6万円の商品を購入するように指示し、その商品を5万円で買取ります。
客から送られてきた商品を5万8千円で転売できれば、客に支払った額との差額である8千円からコストを引いた金額が儲けになります。

この買取型で儲かるためには、客に購入を指示する商品の目利き力が重要になります。
目利きがしっかりできていれば、客から買取った商品を高く転売できるため、ある程度の儲けることができますが、人気のない商品を選んでしまうと転売に失敗して利益が出なくなる可能性があるのです。
また、客から商品を買取る際に提示する“買取率”をどのくらいに設定するかも大切です。
自らリサイクルショップなどへ持ち込んだ場合の買取り相場を、客はネットなどで簡単に調べることができるので、相場とあまりにかけ離れた値段で買取ろうとしても売買は成立しません。
儲けを出そうと極端に低い買取率を提示すれば、「買取率が低くて魅力のない店」という評判が広がってしまいます。
客の利益と店の儲けのバランスに留意する必要があります。

キャッシュバック型は儲かるのか?

キャッシュバック型の現金化は、客に現金化を希望する金額を聞き、自社のショッピングサイトにある商品の中から見合った商品をクレジットカード決済で購入してもらい、その特典として現金をキャッシュバックする仕組みです。
客が購入した金額からキャッシュバック額を引き、さらに取引にかかったコストを差し引いた額が業者の儲けとなります。
たとえば5万円の現金化を希望する客に、自社のサイトで6万円の商品を購入してもらい、5万円をキャッシュバックします。
6万円から5万円を引いた残りの1万円からコストを引いたものが利益となり、この場合の現金化率は 50000÷60000=0.8333…で約83%になります。

ここで扱う商品は100円ショップにあるようなコストの安い品物や情報商材などで、情報商材などメールで受け渡しができるものであれば送料がかからない分、利益が上乗せされます。
現金化率の設定が高すぎると儲けが少なくなりますが、他社が高い現金化率を掲げている中であまり低い設定にしてしまうと集客が難しくなります。
また、低い現金化率では高い手数料を取っていることになり、貸金業とみなされた場合には法定金利をはるかに越えた利息を取っていることになるため、当局に摘発される危険性もあります。

現金化率が低すぎては集客が難しく当局に目をつけられる危険があり、高すぎると儲けが出ないというジレンマの中で、現金化率の設定に気を配ることが大切です。
利用金額が高額になるほど現金化率を高く設定したり、「初回利用」「2回目以降の利用」などで買取率を数%アップするキャンペーンを実施したり、企業努力で集客に努めていけば、安定して儲かることができます。

クレジットカード現金化の開業は1人でもできる?

クレジットカード現金化の開業は1人でもできる?

クレジットカード現金化業者は規模の大小にもよりますが、1人でも開業することは十分可能です。
ビジネスが軌道に乗れば、従業員を増やして事業を拡大することもできます。

クレジットカード現金化はスモールビジネスとして気軽に始められるのはもちろんのこと、手腕次第では高い成長性も期待できます。

 

ただし、フランチャイズビジネス(飲食店や小売業など)とは異なり経営がマニュアル化されていないので、集客・顧客対応などのノウハウは全て1人で考えなければなりません。

クレジットカード現金化業者として開業した直後は無名の状態からのスタートなので、いきなり大きく稼ぐことは不可能でしょう。

 

クレジットカード現金化の開業ノウハウは滅多に目にすることはないため、開業にあたって右も左も分からないという人がほとんどではないでしょうか。

ネット上では現金化ビジネスに関心がある人の需要に応え、業界経験者が開業マニュアルを販売する動きも見え始めています。

無料では出回っていない貴重な情報が得られる可能性があるので、このようなマニュアルを開業の足がかりとするのも良いでしょう。

ただし、高額な詐欺商材には騙されないよう注意してください。

クレジットカード現金化の開業・運営資金はどのくらい?

一般的に店舗や事務所を構えて開業する場合、開業資金は500万円~1,000万円が相場になります。

しかし、クレジットカード現金化業者の場合はネット型店舗で事業を行うのが主流なので、開業資金はこれよりも大幅に安く抑えられます。

事務所を構えるにしても省スペースで済みますし、最低1人~2人の従業員でも事業を開始できます。
したがって、レンタルオフィスなどを契約し少人数で運営するのであれば、開業資金は100万~200万程度でも足りるでしょう。

 

クレジットカード現金化はインターネットや電話・FAXなど通信環境さえあれば行えるビジネスなので、高額な設備投資は必要ありません。

人件費に関しては1人あたり20万~30万が目安ですが、アルバイトを採用すれば10万円前後に抑えることも可能です。

開業直後は知名度ゼロからのスタートなので、広告宣伝費(集客費)は多めに見積もっておきましょう。

現金化業者の主な広告手段はネット広告(SNS広告やリスティング広告)で、広告宣伝費は売上の5%~10%が目安です。

開業直後のクレジットカード現金化事業を軌道に乗せるには?

換金率の設定や集客・宣伝に関しては、手始めに他のクレジットカード現金化業者を参考にしてみましょう。
その上で、他社と差別化できるところを考え出すのが事業成功のポイントです。

換金率で他社と差をつけようとすると利益を上るのは難しいので、まずは入金の早さ・顧客対応の丁寧さに力を入れるのがおすすめです。

質の高いサービスを継続して地道にリピーターを増やしていけば、広告宣伝費を抑えることにもつながります。

クレジットカード現金化の開業リスクと注意点

クレジットカード現金化の開業リスクと注意点

クレジットカード現金化会社として開業するにあたっては、次のような点に注意する必要があります。

クレジットカード会社に現金化がバレると危険

クレジットカード現金化はカード会社の利用規約に違反する行為なので、カード会社に現金化していることがバレてしまうと、利用者・現金化業者は共に厳しいペナルティを課されます。

その結果として利用者からの信頼を失うのはもちろんのことですが、カード会社との加盟店契約は強制解除となり、廃業に追い込まれてしまいます。

 

また、法的にはカード会社から現金を詐取したとして、「詐欺罪・横領罪」に問われる可能性も否定できません。
2017年には、「電子計算機使用詐欺罪」の容疑で現金化業者と利用者の両方が逮捕された事例が発生しました。

詐欺罪・横領罪で逮捕されると、10年以下の懲役刑を科されてしまいます。

実際にカード会社が警察へ詐欺被害届を出すことは滅多にありませんが、以上のようなリスクも念頭に置いた上で、安全対策は徹底的に行いましょう。

違法な貸金業とみなされる可能性がある

クレジットカード現金化業者が不正な取引を行って利用者に損害を与えてしまった場合、ヤミ金(無登録の貸金業者)とみなされて貸金業法違反に問われる恐れがあります。

貸金業法に違反すると、5年以下の懲役もしくは1,000万円の罰金という重い罰則が科されてしまいます。

 

クレジットカード現金化業者が貸金業法違反で逮捕された事例は実際にいくつか存在しますが、逮捕された業者の実態はヤミ金だったということが明らかになっています。

本来なら、クレジットカード現金化は融資とは全く異なる商取引なので、現金化業者が貸金業者として届出を出す必要はありません。

それにも関わらず、現金化業者を装って詐欺行為を働くヤミ金が増えているせいで、現金化業者に対する取り締まりは年々厳しくなっています。

 

違法な貸金業とみなされる取引とは、例えば次のようなものです。

  • 実際に商品の受け渡しを行わず、形式だけで取引を行っている
  • 業界の相場よりも大幅に低い換金率を設定している

クレジットカード現金化自体は違法な取引ではない(厳密にはグレーゾーン)ので、上記のような不正な取引を行っていないのであれば、貸金業法違反に問われる心配はありません。

現金化に対する消費者の警戒心が高まっている

2010年頃からクレジットカード現金化に関する消費生活相談が増えたことで、消費生活センターによる注意喚起が強化されています。

消費生活センターが日本クレジット協会(クレジットカード業界の業界団体)に対し働きかけたことにより、クレジットカード現金化排除へ向けた様々な対応も取られるようになりました。

日本クレジット協会からの要請を受け、国内のカード会社・決済代行会社は加盟店審査の基準をより厳しくしています。

 

以上のような状況から、今後は現金化業者の新規開業・営業継続は困難になっていくものと考えられます。

消費生活センターや日本クレジット協会、行政機関等が連携して現金化の取り締まりを強化するようになった結果、消費者の警戒心も高まっています。

クレジットカード現金化業者として生き残っていくには、単に「安心・安全」をアピールするのではなく、消費者に対してリスクの説明をしっかり行い、誠実な営業を行うことが必須条件です。

関連ページ:クレジットカード現金化の振込み先におすすめの銀行口座はどれ?

投稿者プロフィール

橋本隆志
橋本隆志
借金総額300万円
消費者金融からお金を借り、借金返済をする為にクレジットカードで現金化をした経験などを元に執筆をしています。