クレジットカード現金化の広告は違反!?

クレジットカード現金化の広告に、「○○%の高還元率で即日キャッシュバック!」というキャンペーンが出ているのをよく見かけます。
このような宣伝は、誇大広告になってしまうのではないか、と気になる人は少なくないでしょう。

広告は、「景品表示法(景表法)」という法律によって厳しく規制され、誇大な表現がないように監視されています。
景表法では、販売者が商品について虚偽表示を行ったり、高価な景品類を提供したりすることを禁止しています。
例えばオレンジジュースの広告で、本当は果汁が入っていないのに、「果汁100%」と表示して販売することは、景表法に違反しています。

では、高還元率を謳うクレジットカード現金化の広告は、景表法に違反しているのでしょうか?
結論を言うと、広告に記載されている還元率が、実際の還元率と同じである(虚偽ではない)限りは、違法ではありません。
その理由について、景品表示法の基礎知識と一緒に、詳しく説明していきます。

景品表示法とは、どんな法律なのか?

まずは、景品表示法とはどんな法律なのかについて解説します。
景品表示法が制定された目的は、「消費者が虚偽の広告に惑わされず、正しい情報を基に、質の良い商品・サービスを安心して選べるようにするため」です。

景品表示法の規制とは、どんな内容?

景品表示法では、商品・サービスの広告において、「不当な表示」「過大な景品」を禁止しています。
それぞれ、具体的にどんなことを禁止しているのか見ていきましょう。

不当な表示の禁止とは?

景品表示法では、商品・サービスの品質や価格について、消費者に誤った情報を与えることを禁止しています。
不当な表示には、主に以下の2種類があります。

優良誤認表示

優良誤認表示とは、商品・サービスの内容(原材料・原産地や実績、効果など)について、虚偽内容を伝えたり、誤解を与えたりする表示のことです。
例えば、本当はカシミヤ70%のセーターなのに、「カシミヤ100%の高品質なセーター」と記載することは、優良誤認表示に当たります。
販売者が、実際よりも優良な商品・サービスであるかのように見せかけて宣伝すると、消費者は粗悪な商品と知らずに購入してしまいます。

有利誤認表示

有利誤認表示とは、商品・サービスの価格や取引条件について、虚偽内容を伝えたり、誤解を与えたりする表示のことです。
例えば、実際は他社と変わらない価格なのに、「業界最安値」と宣伝するのは、有利誤認表示に当たります。
消費者は、「このお店で買うのが最安値」という間違った情報を信じた結果、他のもっと安いお店で購入する機会を逃してしまいます。

過大な景品の禁止とは?

販売者が商品・サービスに付随して提供するものは、「景品類」と呼ばれています。
販売者は、顧客を誘引したり、販売を促進したりする目的で景品類を提供しています。
例えば、「来店者にもれなく○○をプレゼント」「○○円以上購入すると、抽選で旅行券が当たる」といったキャンペーンが、景品類の提供に該当します。

景品類は、景品表示法によって提供できる景品の上限額が定められています。
販売者が顧客からの注目度を上げるために、高価な景品を提供しようとしても、上限額によって制限されてしまいます。
販売者が限度額以上の景品を提供すると、「過大な景品」に該当し、景品表示法違反になります。

景品類は、「懸賞による景品」と、「懸賞によらない景品(総付景品)」の2種類に分けられます。
クレジットカード現金化のキャッシュバックキャンペーンの場合は、総付景品に該当する可能性がありますが、現時点では、景品表示法による規制対象の例外として認められています。

景品表示法違反への対策は?

景品表示法に違反した事業者に対しては、以下のペナルティが課されます。

  • 違反行為の停止措置命令
  • 課徴金(過去5年にわたり、違反行為で得た利益の3%相当の金額)の納付命令
  • 刑事罰として最大300万円の罰金、最長2年の懲役刑
  • 違反行為によって損害を被った第三者に対する損賠賠償

行政ではこのような措置を取ることで、悪質な商法による消費者被害の拡大を防止しています。

誇大表現と疑われる広告や、過大な景品を提供している販売者を発見したら、消費者庁のオンライン窓口に相談・報告することができます。
消費者庁では、消費者から提供された情報を基に、事実の調査や事業者への確認といった作業を行います。
調査対象の事業者が、景品表示法に違反していると認められた場合、その事業者に対して課徴金納付命令など必要に応じた措置を講じます。

景品表示法違反が原因で、実際に消費者トラブルに発展した場合は、消費生活センターに相談しましょう。
消費生活センターでは、不正な広告・取引の被害に遭った人に対し、トラブル解決のための支援を行っています。
必要に応じて、事業者との交渉を仲介するとか、弁護士などの専門的な相談窓口を紹介する、といったサポートを行ってくれます。

クレジットカード現金化の広告は違法ではない?

クレジットカード現金化の広告は、景品表示法に違反する可能性が本当にないのでしょうか?
「実際に逮捕された業者はいるのか」とか、「キャッシュバック型と買取り型は、それぞれ合法なのか」などといった疑問について、説明します。

逮捕された現金化業者はいるのか?

クレジットカード現金化が、「景品表示法に違反した」という理由で逮捕された事例は、これまでにありません。
「クレジットカード現金化業者を装った闇金業者が、違法な貸付を行った」という理由であれば、何件か逮捕事例は存在します。

2011年には、「クレジットカード現金化」と称して、出資法に違反する高金利融資を行っていた悪徳業者が逮捕されています。
(出資法とは、金融業者・非金融業者の両方に対して、違法な金利や手数料を取り締まるための法律です。)
ただ、これは一部の闇金業者に限られた事例であり、クレジットカード現金化自体が違法というわけではありません。

クレジットカード現金化の広告が、景表法に違反していると断定されるのであれば、街頭やネットで堂々と宣伝する業者はいなくなっているはずです。
もちろん、クレジットカード現金化の行為自体も、違法ではありません。
だから摘発の対象にはならず、過去10年以上にわたって現金化業者が存在していられるのです。

現金化の利用者は法律に違反しない?

クレジットカード現金化の利用者が逮捕されたという事例も今までにはないので、法的にはセーフです。
ですが、悪徳業者に騙されるという危険性は依然としてあるので、業者選びは慎重に行いましょう。

また、現金化は違法ではないとはいっても、カード会社の利用規約には違反してしまいます。
カード会社の規約では、換金目的でショッピング枠を利用することを禁止しています。
規約に違反した利用者は、カード利用停止や会員資格剥奪といったペナルティを受けます。

法律的には、カード会社に対する「詐欺罪」に該当する可能性も指摘されています。
よって、今後クレジットカード現金化が法律によって規制される可能性は、ゼロとはいえません。

万が一、法改正でクレジットカード現金化が違法になったとしても、違法になる前に現金化を利用した人が罰せられることはありません。
なぜなら、「法令不遡及の原則」により、法改正以前に合法だった行為に対しては、さかのぼって罪に問われないからです。
なので、クレジットカード現金化が黙認されている今のうちなら、安心して利用することができます。

キャッシュバック方式の現金化は本当に合法?

景品表示法に違反する可能性があると指摘されているのが、「キャッシュバック方式」を採用している現金化業者です。
キャッシュバック方式とは、ショッピング枠で商品・サービスを購入後、「購入額の○○%キャッシュバック」という形で現金に変える方法です。
多くの現金化業者は、平均で70~80%(ときには90%以上)という高還元率で、キャッシュバック可能と謳っています。

ですが、景品表示法によって、キャッシュバック率(景品の価格)の上限額は、取引価格の20%までに制限されています。
(1,000円未満の取引の場合は、景品の価格は200円が上限です。)
クレジットカード現金化の還元率は、景品表示法が定める上限額を、大幅に超えてしまっています。

それでも景表法違反にならないのは、クレジットカード現金化が、「総付景品の例外」とみなされているからです。
総付景品とは、商品・サービスの購入者全員に対して、もれなく付与される景品類のことです。

クレジットカード現金化のキャッシュバックも、利用者全員に対して行われるので、総付景品の括りに入る可能性があります。
しかし、公正取引委員会によると、キャッシュバックは景品ではなく、「値引きと認められる利益」に該当するとみなされています。
よって、キャッシュバックは総付景品の例外となり、「キャッシュバックで得た利益=○○%の割引によって還元された利益」ということになります。

ただし、広告に記載されている換金率よりも実際の換金率が低いという悪質なケースは、「有利誤認表示」に該当し、景品表示法に違反します。
「業界トップの還元率!」というような広告を見たら、他社の還元率と必ず比較して、それが本当に事実なのかどうかを確かめましょう。

買取り方式の現金化は景品表示法の規制対象?

クレジットカード現金化には、キャッシュバック方式に加えて、「買取り方式」という方法もあります。
買取り方式とは、ショッピグ枠で商品を購入後、その商品を中古品売買業者に買取ってもらうことで、現金に変える方法です。

買取り方式は、実質的には中古品売買取引であり、景品表示法上の取引には該当しません。
例えば、中古品売買業者が買取りの際におまけのグッズ類を提供した場合、そのおまけは景品とみなされず、規制の対象外となります。

とはいえ、買取り方式にも全く問題がないわけではありません。
中古品の売買を扱う現金化業者は、原則として古物商許可を取得する必要があります。
無許可で営業を行っている現金化業者は行政処分の対象になり、営業停止や罰金といったペナルティが課されます。

また、クレジットカードの決済だけを行い、ダミー商品を販売するとか、商品を送らないといった業者にも問題があります。
実際に商品の売買を行ったように見せかける行為は、「架空取引」に該当し摘発対象となります。

よって、買取り方式のクレジットカード現金化においては、必ず商品の発送・受取りが行われなければなりません。
商品の発送を行わない業者は、悪徳業者の可能性が高いので用心しましょう。