クレジットカード現金化がNGだと言われる理由とは?

クレジットカードには「キャッシング枠」と「ショッピング枠」という2つの利用枠があり、それぞれ契約者の収入や利用実績を考慮して限度額が決められています。

病気で入院することになり、入院費用の支払いに現金が必要になった。
結婚式に招待され、ご祝儀を包むために現金を用意しなければならない。

このような事情で急に現金が必要になることがありますが、財布も銀行口座も空っぽの場合、どうしたらいいでしょうか?

クレジットカードのキャッシング枠を使ってキャッシングすれば、簡単に現金が手に入ります。
しかし、既にキャッシングの限度額上限まで借り入れをしていればさらに借りることはできません。

こんな場合に便利なのが、クレジットカードのショッピング枠を使った現金化です。

ショッピング枠を使った現金化は、適切な方法で行えばキャッシングのように信用情報に瑕がつくことはありません。

また、利用額に応じてショッピングポイントやマイルが付与されますので、最初からショッピング枠で現金化をして、キャッシングには手を出さないという人もいるようです。

この便利なクレジットカード現金化ですが、世間では「クレジットカード現金化はNG」とか、「現金化には手を出すな」と言われることがあるようです。その理由はなんなのでしょうか?

クレジットカード現金化の利用に不安を感じている人のために、現金化がNGだと言われる理由現金化を安全に行うための注意点などを紹介します。

2つあるクレジットカード現金化の方法

2つあるクレジットカード現金化の方法
クレジットカード現金化には2つの方法がありますが、最初に主流になったのが、買取り方式という方法です。

買取り方式は、クレジットカードのショッピング枠を使って買い物をして、その商品を業者に売却して換金し、現金を手に入れる方法です。

フリマアプリやオークションサイトの利用が盛んになっている今、不要品を売却して現金を得ている人、人気商品の発売日に店舗に並んで購入し、買値より高い価格で転売して利益を得ている人がいますが、基本的にはこれと同じ方法です。

「換金目的で商品を購入して、現金化業者に売却した」ことと、「買ってはみたものの、似合わないので買取り専門店で処分した」ことは、購入の目的は違いますが、ショッピングと売却という行為は同じです。

そのため、クレジットカードの現金化は、現在の法律では違法ではありません。
ただし、クレジットカード会社は規約で禁止していますので、グレーゾーンの状態にあります。

買取り方式で、「10万円の高級ブランドバッグをクレジットカードで購入して現金化業者に持ち込んで8万円で売却した」という取引をした場合、手にする現金は8万円で換金率は80%、残り2万円(20%)が業者の手数料になります。

利用者はカードの引き落とし日までに、口座に購入代金10万円を用意しておかなければなりません。

もう1つの方法がキャッシュバック方式です。
キャッシュバック方式は、ネットだけで手続きが完了するため、実店舗を置かなくていいことなどから、最近主流になってきています。

利用者が現金化業者からクレジットカードで商品を購入し、その見返りに何割かの現金をキャッシュバックという形で得る方法です。

例えば、「現金化業者から20万円の商品をクレジットカードで購入し、その特典として17万円がキャッシュバックという名目で銀行口座に振り込まれた」という取引の場合、手にする現金は17万円で換金率は85%、残り3万円(15%)が業者の手数料になります。

利用者はカードの引き落とし日までに、口座に購入代金20万円を用意しておく必要があります。

後日、業者から購入した商品が送られてきます。
業者は手数料から商品原価などの経費を引いた分が利益となりますので、商品は、100円ショップで買えるような金額に見合った価値はないものです。

NGと言われる理由とそれでも利用する人がいるのはなぜ?

クレジットカード現金化はNGと言われながら、多くの人が利用している現実があります。
NGと言われる理由と、それでも利用するメリットについて紹介します。

クレジットカード現金化がNGと言われる理由

クレジットカード現金化がNGと言われる理由は3つあります。

現金化を借金に置き換えるとかなりの高利である

先ほど、買取り方式、キャッシュバック方式で示した例では、業者の手数料(利益)は20%と15%でした。
一般に、現金化の平均的な換金率は80%前後と言われており、手数料は20%前後となります。

現金化を借金に置き換えてみると、この20%の手数料を利息と考えることができます。
実はこれは普通の借金ではあり得ない、高利になるのです。金利を計算してみましょう。

例1

10万円分の商品をクレジットカードで購入して、現金化業者から8万円を受け取り、2ケ月後のカード引き落とし日に購入代金の10万円が引き落とされた場合で計算します。

これを借金と考えると、「クレジットカード現金化業者から8万円借りて1ケ月後に2万円の利息を付けて10万円にして返済した」ということになります。

利息額の計算は、利息額=元金額×金利÷365×借入期間で計算できますから、
20,000円(利息額)=80,000円(元金額)×○%(金利) ÷365×30日(借入期間)
という計算式になり、これに例を当てはめて計算すると金利は約304.1%になります。

例2

換金率95%などという高い換金率を謳い文句にして、利用者を集めている現金化業者がいます。
これを借金に置き換え1ケ月後に返済した場合で計算すると、
5,000円(利息額)=95,000円(元金額)×○%(金利) ÷365×30日(借入期間)
という計算式となり、金利は約64.0%となります。

2010年に施行された改正貸金業法で出資法上限金利が20%に引き下げられ、法定金利の上限は以下のようになっています。

元本 上限金利
10万円未満 20%
10万円以上100万円未満 18%
100万円以上 15%

この金利と比べると、クレジットカード現金化を借金に置き換えた場合の金利はかなりの暴利であることがわかります。

これが、クレジットカード現金化はNGと言われる1つ目の理由です。

クレジットカード会社が現金化を禁止している

かつてクレジットカード現金化業者が摘発された事例があります。
違法ではないのになぜ?と思われるかもしれませんが、これは金利が高すぎることが問題になったもので、現金化を行った利用客が罪に問われたわけではありません。

では、法律に違反していないから現金化は安心して自由に行えるかというと、そうではありません。

実は、クレジットカード会社の利用規約には、「現金化を目的としたクレジットカードの利用は禁止」と明記されており、カード会社に現金化目的の利用が発覚すればカードの利用が即停止されてしまいます。

クレジットカード会社は利用者が現金化を繰り返して返済不能になった場合、利用代金全てを肩代わりしなければなりません。

それを避けるために、クレジットカード会社は利用者の購入履歴に目を光らせ、現金化行為が行われていないか厳しくチェックしています。

換金率が高い金券、高級ブランド品、高額家電などを繰り返し購入していると、現金化を疑われるので要注意です。

もし現金化が疑われた場合、利用者のクレジットカードは即利用停止となり、場合によっては強制退会させられた上、キャッシングやショッピングで利用した金額を一括請求されます。

一括請求されても返済ができなければ、最終的に自己破産すればいいと安易に考える人がいますが、現金化が理由の自己破産は裁判所が認めることはほとんどありません。

これが、クレジットカード現金化がNGと言われる2つ目の理由です。

悪徳業者にだまされる危険がある

3つ目の理由は、悪質なサービスの業者にだまされて損をしたり、悪徳業者と関わって犯罪に巻き込まれたりする危険があることです。

クレジットカード現金化の利用者が増えるにつれ、数多くの現金化業者ができ、その中には悪質な取引をする業者が紛れ込むようになりました。

高い換金率につられて申し込んだが、実際には他社より低くて損をした。

店舗に行って説明だけ聞こうと思ったのに、契約するまで返してもらえなかった。

契約してクレジットカードで決済したのに、現金が振り込まれない。

などの被害に遭っている人が実際にいます。

また、クレジットカード現金化は、買取り方式では古物商営業法により現金化する商品が盗品ではないことを確認するために、キャッシュバック方式では決済に使うクレジットカードが本人のものであることを確認するために、業者は利用者の本人確認をすることになっています。

もし取引相手が悪徳業者だった場合、提出させた免許証などの身分証明書をコピーして悪用したり、クレジットカードの番号を盗んで不正利用したりする危険があります。

クレジットカード現金化が利用されるわけ

現金化はNGと言われる中で、多くの現金化業者が生まれ、多くの人が利用しているのはなぜでしょうか。
ここでは、クレジットカード現金化のメリットに目を向けてみましょう。

ショッピング感覚で気軽に行える

クレジットカードのキャッシング枠いっぱいに借り入れてしまい、これ以上借金ができなくなった時、現金を手に入れる次の手段としては何があるでしょうか。

クレジットカードをもう1枚作ったり、銀行で借りたりしようと思っても、審査に通らなければ不可能です。

最後の手段として、消費者金融でお金を借りる方法もありますが、カードでキャッシングするのとは違い決断するのにかなり勇気が必要です。

これらに比べて、ショッピング枠を使った現金化は買い物感覚で行えるため、ハードルが低く気軽に行えます。
また、元々与えられているショッピング枠の利用ですので、審査は必要ありません。

クレジットカードでショッピングすることと何ら変わりはありませんので、信用情報に借金の履歴が残る心配がないだけでなく、ショッピングポイントやマイルが貯まるメリットさえあります。

現金化までがスピーディである

キャッシュバック方式による現金化が主流になってきたことで、商品を購入して現金化業者に持参して売却するという手間が省けるようになり、申し込みから入金までがよりスピーディに行われるようになりました。

業者が365日営業、24時間振込可能な銀行口座を利用し、利用者側が土日でも即日入金が反映され、コンビニなどで現金を下ろすことができるネットバンクの口座を使っていれば、申し込み当日に現金が振り込まれます。

土日であっても現金化を申し込んだその日に現金を手にすることができるのです。

店舗に行かなくて済むので全国どこにいても利用できる

買取り方式の場合、金券や高額商品を購入し、現金化業者の店舗に買取り依頼に行かなければなりませんでした。

買取り業者は大都市の主要駅周辺には数多くありますが、地方都市には1店舗もない、あっても1店舗だけというように明らかに地域差があり、地方の人は利用したくてもできない状況でした。

しかし、ネットだけで手続きが完了する来店不要のキャッシュバック方式が普及すると、スマートフォンやパソコンがあれば全国どこからでも利用できるようになりました。

業者側は実店舗運営にかかる人件費や家賃などの費用が削減でき、サービス内容さえよければ顧客を全国から集めることができるので、換金率を高くしたり、サービスを充実させたりしています。

利用者はそんな業者の中から換金率やサービスに納得できる優良店舗を選択できるようになりました。

クレジットカード現金化を安全に行うためには?

クレジットカード現金化を安全に行うためには?

クレジットカード現金化を安全に利用するために、以下の点に気を付けましょう。

ショッピング枠の限度額上限まで利用しない

キャッシング枠の限度額いっぱいまで借り入れている上に、ショッピング枠の上限ぎりぎりまで買い物をすると、クレジットカード会社から警戒されます。

ショッピング枠に少し余裕を持たせて利用額を決めましょう。

限度額の増額申請は行わない

ショッピング枠の限度額が少ないからと、増額申請をしてはいけません。

クレジットカード会社は入会時の審査以外にも、途上与信といって利用者が限度額の増額を申し出た時などにも再審査を行います。

この途上与信で利用状況をチェックされると増額が認められないだけでなく、現金化を疑われて利用停止となる可能性があります。

何度も繰り返すなら買取り方式よりもキャッシュバック方式で

買取り方式を繰り返し利用しているなら、取引先をキャッシュバック方式の業者に切り替えましょう。
買取り方式は、クレジットカード会社に現金化を疑われる危険があります。

キャッシュバック方式は、商品を購入した特典としてキャッシュバックを受ける形を採っているので、現金化していることがわかりにくくなっています。

キャッシュバックは景品表示法で違法では?という意見もありますが、公正取引委員会は「購入者全員へのキャッシュバックは値引きであり経済上の利益である」として対象外としています。

優良業者を選ぶ

悪徳業者と関わって被害に遭わないよう、優良業者を選んで現金化を行いましょう。

公式ホームページの会社概要を確認し、しっかりした経営母体であるか、トラブルの際に連絡できる電話番号や本社所在地が明記されているかなどをチェックしましょう。

買取り方式の場合、業者は古物商許可証がなければ営業できませんので、古物商許可番号が表示されているか確認しましょう。

また、換金率や入金までの所要時間などのサービスを比較しておすすめ業者を紹介する現金化業者比較サイトを参考にしてみてもいいでしょう。

良い口コミは業者自身が書いたステマ(ステルスマーケティング=消費者が宣伝と気づかないような宣伝行為)の可能性もあります。

闇雲に信じるのではなく、悪い口コミなども探して、総合的に判断しましょう。

計画的に利用する

ショッピング感覚で行えるとはいえ、クレジットカード現金化は借金に変わりなく、先にも示したように手数料を利息に置き換えると大変高い金利を支払うことになります。

「カード引き落とし日に現金が用意できなくて、さらに現金化を利用して補填する」ということを繰り返し続けていけば、借金はみるみる膨れ上がってしまいますので、計画的な利用を心がけましょう。