クレジットカードを使っていく上での大きなメリットに、ポイントを貯めることが挙げられます。普段の買い物で沢山のポイントを貯めて、映画鑑賞や航空チケットなど、様々なものに交換する。最近では交換できる商品やポイントのバリエーションも広がり、ますますポイントを貯める楽しみが大きなものとなりました。

ところでこのポイント、どのような仕組みで発生しているのかご存知でしょうか?
決して顧客獲得のためにカード会社が赤字覚悟でポイントをばらまいているわけではありません。実はカード会社と加盟店、カード会員の三者がそれぞれ利益を得られる手段として編み出されたものなのです。

そしてせっかく貯まったポイントは、出来ることなら最もお得に交換したいものです。そのためには交換商品カタログだけでなく、他社のポイントや航空会社のマイルなど、様々なものと比較して、ご自身にあったベストなものを選ぶ必要があります。

今回はクレジットカードでポイントが貯まる仕組みと、ポイントの具体的な使いみち、ポイントを貯めていく上で重要になる高還元率カードと航空会社のマイルの優れた点についてご紹介致します。

クレジットカードでポイントが貯まる仕組みとは?

ゴールドカード

クレジットカード会社は主に、会員から徴収するカードの年会費と、加盟店から徴収する決済手数料によって利益を上げています。
つまり、いくら沢山のカードを発行しても、使われることなく財布に収められたままではあまり大きな儲けになりません。
また最近は年会費無料のカードが大多数を占めてきたこともあり、年会費によって得られる収入はどんどん少なくなっていく傾向があります。

従って、カード会社が高い利益を上げるためには、カード会員にあらゆる機会で自分たちのカードを使ってもらう必要があります。そのための販促手段として生み出されたのが、クレジットカードのポイントプログラムです。
加盟店から徴収した手数料の一部をポイントとして会員に付与し、カード会員が貯めたポイントは様々なものに交換することができる。
こうすることで多くの人がポイントを目当てにカードを沢山利用するようになり、加盟店は多額の売上を計上、カード会社はそれに応じて多くの決済手数料を得ることが出来ます。

手数料収入の一部を犠牲にする代わりに、自社とカード会員、加盟店の皆が利益を得られる手段として、このポイントプログラムは想像以上の大成功を収めました。今日では、支払いを翌月の支払日にまとめられるメリットよりも、ポイントを貯められることを目的にクレジットカードを利用する人が非常に多くなっているほどです。

これがクレジットカードの利用によって、ポイントが貯まる仕組みです。

クレジットカードの貯まったポイントの使いみちとは?

カード利用で貯まったポイントの使いみちは大きく分けて3つあります。

各種商品との交換

ポイント交換をするイメージ画像

1つ目は商品との交換です。
カード会社各社では通販カタログのように様々な商品が並んだポイント交換用のカタログを用意しており、これまで貯めてきたポイントの合計額に応じて好きな商品と交換することが出来ます。

商品のバリエーションも多種多様に揃えられており、キッチン用品や高級文具などはもちろんのこと、有名アーティストの公演チケットや豪華海外旅行を交換商品に用意しているカード会社もあります。

一昔前はこの「商品との交換」がもっとも定番なポイントの使いみちでした。しかし商品との交換はあまりいいものが用意されていない場合も多く、最近は人気が下火になりつつあります。

カード代金への充当

青いクレジットカード

2つ目は毎月の支払いへの充当です。
クレジットカードの利用代金は翌月の支払日に口座から引き落とされますが、請求額が確定したころにポイントでの支払手続きを行えば、ポイントを用いてこの利用代金を支払うことが出来ます。支払いへの充当は手持ちのポイント数が僅かな場合であっても利用できるため、商品や他社ポイントへの交換を終えた残りのポイントの使いみちとしても有効です。
しかし残念ながら、一つだけ欠点があります。支払いに充当する場合、1ポイントあたり0.3円ほどでしか換算されない場合が多く、沢山のポイントを用いたとしても大した充当額にならない場合が大半です。そのため、メインの使いみちには残念ながらあまりおすすめできません。

せっかく多くのポイントを貯めたのであれば、もっと還元率の良い使いみちに用いることがオススメです。

他社のポイント・マイルへの交換

ANAのクレジットカード

還元率が高く、おすすめの使いみちは何があるのでしょうか?
それが3つ目、他社のポイントや航空会社のマイルへの交換です。

例えばTSUTAYAやドトールで使えるTポイント、楽天市場やTOHOシネマズで使える楽天スーパーポイントに交換すると、1ポイントあたり0.8~1円ほどに交換することが出来ます。先ほどの1ポイントあたり0.3円と比べると、2倍以上の開きがありますね。

加えて、街中のあらゆるところで利用できるため、使い勝手にも優れているメリットがあります。クレジットカードのポイントは多くの場合、街中での買い物にそのまま用いることは出来ません。けれど他社のポイントへ交換すれば、使える場所はぐっと広がり、有効に活用することが出来るようになるのです。

また、詳しくは後ほど改めてご紹介しますが、航空会社のマイルへの交換は街中で使えないデメリットがある一方、もっとも高い還元率でポイントを活用できる手段として強い人気を誇っています。

ポイント還元率が高いクレジットカードについて

クレジットカード

ポイントを貯めるためにクレジットカードを活用するのであれば、出来る限り還元率の高いカードを選んで使いたいものです。

多くのカードでは利用額の0.5%相当のポイントが付与されますが、例えば楽天カードではこの2倍、1%相当のポイントが付与されます。支出の大半をクレジットカードで支払った場合、1万円分のポイントが貯まることも多々ありますが、この時還元率の高いカードを使っていれば、同じ利用額で1万円ではなく、2万円分のポイントを貯められます。

多額のカード利用が前提であるとはいえ、この差は非常に大きなものです。従って、ポイントを貯めていくためにはまず、還元率が高いクレジットカードを選ぶことからはじめましょう。

目安としては、1~1.5%ほどの還元率があれば十分ポイントを貯めやすいカードであるといえます。逆に1.5~2%以上の還元率があるカードの場合は、少し注意が必要です。カード会員を増やすために高い還元率をウリにしている一方、近い将来還元率を見直す可能性が十分に考えられるからです。メインカードとして公共料金の支払いや買い物時の普段使いにした後にポイント還元率が改悪されてしまっては、他のカードへ切り替えるにもなかなか手間がかかってしまいます。1枚のカードを長く使っていくためにも、大体1~1.5%程度の還元率があるカードを選んでいきましょう。

クレジットカードのポイントとマイルはどっちが良い?

飛行機の模型

さて、先ほどご紹介した航空会社のマイルですが、他社のポイントサービスやクレジットカードのポイントとして商品や支払い充当に用いる場合と比べて、どのようなメリットがあるのでしょうか?

まずマイルは原則航空券に交換するため、様々なお店で使える他社のポイントサービスと比べると使い勝手ではやや劣ってしまいます。チケットに交換できるほど十分なマイルがない場合には、電子マネーやカタログ商品との交換もできるため、使い勝手の面においては景品や他社ポイントへ交換する前のクレジットカードのポイントと同じくらいといったところです。

しかし、マイルが圧倒的に優れている点として、還元率の高さが挙げられます。

クレジットカードのポイントをカタログ商品や支払い充当に用いた場合、1ポイントは0.2~0.3円相当として利用できます。
他社のポイントと交換した場合は0.8~1円ほど。ところがマイルに交換して航空チケットの購入に用いた場合、路線と座席クラスによって還元率は大きく変動し、1ポイントを最低でも1.5円以上に換算して利用することが出来るのです。

例えば羽田-大阪伊丹間の国内線エコノミークラスに乗る場合、航空チケットの値段を必要なマイル数で割るとおよそ1.5円ほどとなります。この時点でもう十分な還元率を誇っていますが、国際線の長距離路線やビジネス・ファーストクラスなどの上位クラスを利用する場合、さらに高い還元率が適用されます。

なかなか交換の機会は限られてしまいますが、国際線ファーストクラスのチケットに交換した場合には1ポイントが13円に換算されることも。ファーストクラス利用分のポイント・マイルを貯めるのは大変なものですが、有効期限が長いポイントを地道に貯める場合には、一つの目標として夢見るのも良いかもしれません。

あまり旅行に行かない方であれば、他社のポイントに交換して買い物や食事に利用するのが使い勝手の良さも相まっておすすめです。しかし旅行好きで飛行機に乗る機会が多い方の場合、群を抜いて高い還元率と旅費を大幅に抑えられることから、マイルへの交換を強くおすすめ致します。

まとめ

クレジットカードのポイントの仕組みと、貯まったポイントの有効な使い方についてご紹介致しました。これまでカード会社のポイントプログラムに魅力を感じる一方、どんな仕組みでポイントが提供されているのかがイマイチわからなかった方も、これで安心してポイントを貯めることが出来るでしょう。

普段の買い物で貯めたポイントは、せっかくならば最も高い還元率で使っていきたいものです。旅行好きな方は航空会社のマイル、そうでない方はTポイントや楽天スーパーポイントなどの他社ポイントがおすすめであることは、本記事で解説したとおりです。

またマイルと他社ポイントの使い勝手は年々向上しています。かつてはネットショッピングでしか利用できなかった楽天スーパーポイントは、今ではコンビニやカフェ、映画館でも利用が出来るようになり、マイルはEdyをはじめとした電子マネーにも交換が出来るようになりました。

今後もこうした使い勝手の向上は続いていくことが期待できます。従って、どのポイントに交換すれば一番便利に使いこなせるか? どのポイントを選べば最も高還元率で利用ができるかをあらかじめ知り得ておくことが、貯まったポイントを最大限に有効活用する上で最も大切になります。

沢山のポイントを貯めるのはまだ少し先の話だとしても、それに先立って何に交換をするのかを検討してみるのはいかがでしょうか?
そうすることで、より多くのポイントを貯めていくモチベーションにも結びつけることが出来ます。