クレジットカードは便利でお得な決済手段である一方、悪意ある者によって不正に利用されてしまう危険性があります。たとえカードを盗まれていなくても、カード番号や有効期限さえわかれば決済に用いることが出来るため、これを逆手にとってカード番号を不正に入手・悪用しようとする者が後を絶ちません。

けれども、過度に心配する必要はありません。クレジットカードの不正利用には専用の保険が設けられており、身に覚えのない請求であれば1円の負担もせずに済むからです。
この保険があることにより、たとえ不正利用のリスクがあっても安心してクレジットカードを普段の支払いに用いることが出来ます。

とはいえ、不正利用を報告する時期によっては後日返金といった形になることもあります。それを考えると、やはり普段から不正利用に対して十分に備えておくに越したことはありません。
そこで今回はクレジットカードが盗難・不正利用に遭った場合の対処法と対策について、それぞれご紹介します。

自分のクレジットカードが不正利用されている?盗難された時の対処法

自分のクレジットカードが不正利用されている?盗難された時の対処法

「特に高額な利用をした覚えもないのに、
 カード利用時に限度額オーバーで支払いが出来なかった」
「まったく身に覚えのない請求がカードの明細書に記載されていた」

このようなことがあった場合、あなたのクレジットカードが不正利用の被害にあった可能性が考えられます。

クレジットカードはカードそのものが盗難されていなくても不正利用が可能です。
例えばネット通販でカード番号を入力した際、店舗側のミスでカード番号と有効期限が漏れてしまったら、この2つだけでも不正利用に悪用することが十分に可能なのです。
また、最近ではショッピングサイトを装ってカード番号と有効期限を入力させ、それを使って不正利用を企てるなりすましサイトによる被害が急増しています。

けれども心配はいりません。たとえ不正利用の被害にあったとしても、すぐにカード会社へ連絡すればほぼ100%の確率で請求は取り消されます。カードの裏面に署名をしていなかったり、4桁の暗証番号まで流出している場合を除き、クレジットカードの不正利用には盗難保険が設定されており、万一不正利用されてしまったとしても、この保険で被害額が全額保証されるようになっているからです。

クレジットカードを不正利用する手口とは?対策法を学ぼう!

クレジットカードの番号はどんな時に流出してしまうのでしょうか?
カードを利用するあらゆる場面で流出の可能性がありますが、もっとも代表的なものに次の3つが挙げられます。

セキュリティが脆弱な通販サイトでカードを利用した時

セキュリティが脆弱な通販サイトでカードを利用した時

楽天やAmazonなどの大手通販サイトで買い物をする際には心配いりませんが、小規模な通販サイトでの買い物にクレジットカードを利用した場合、セキュリティが手薄であるために番号が流出してしまう危険があります。

安全なネット利用を啓蒙するサイトでは、ネット通販を利用する際にSSL(通信を暗号化して安全に情報をやり取りする技術)で保護されているお店を利用することを奨励しています。
しかし仮にSSLで保護されていたとしても、最近は暗号化そのものに不備が見られる場合が多くあります。そのため、安全なところを選んだつもりでも知らず知らずのうちにカード番号が漏れてしまい、結果不正利用の被害にあってしまうことは、思いのほか多いものなのです。

利用明細からの番号推定

利用明細からの番号推定

レシートとあわせて受け取るカードの利用明細には、カード番号や名義人のフルネームが記載されています。
セキュリティ上の配慮により、この明細に記載されるカード番号の一部は伏せ字になっています。従って、明細1枚のみでカード番号を判別することは出来ません。
しかしこの利用明細、実は伏せられているカード番号は明細ごとに異なっており、2~3枚ほどの明細を入手できたら、カード番号を推定することが出来てしまうのです。

もちろん、仮に番号が入手できても、有効期限がわからなければカードの利用は出来ません。
しかしクレジットカードの有効期限にはパターンがあり、カードに精通した人であれば容易に推定が可能です。
そのため、もし明細で番号が推定できた場合、高い確率で不正利用の被害に遭ってしまうことが考えられます。

ATM利用時のスキミング

銀行やコンビニのATMを利用する際、カードの挿入部分に特殊な機械をセットしてカードの情報を不正に入手する「スキミング」と呼ばれる手法が近年急増しています。
スキミングは主に銀行口座を標的として行われることが多いのですが、クレジットカードの情報もあわせて入手することが出来るため、不正利用の被害も同時に受けてしまう可能性が十分に考えられます。
幸いICチップとクレジットカード用の暗証番号が漏れる可能性はほとんどなく、もしスキミングによる不正利用にあってもほぼ確実に盗難保険の適用が受けられます。しかしATMを利用する際には、不審な機械がセットされていないか、十分に注意することが必要です。

不正利用の被害に遭ったらどうしたらいい?

それでは、実際に不正利用の被害に遭ってしまった場合にはどうすればいいのでしょうか?
前述の通り、盗難保険が適用されるために余計な支払いが発生することはありません。
しかし気付いたタイミングによってその後の手続きが大きく異なるため、あらかじめ注意が必要です。

請求額確定前に気付いた場合

請求額確定前に気付いた場合

まず毎月の請求額が確定する前に不正利用が見つかった場合、すぐカード会社へ連絡をしましょう。不正利用であることが確認できれば、請求が確定する前に不正利用の分が取り消されます。
また、確定前のものであれば請求額確定後の明細書に不正利用分が記載されることもなく、その後に煩雑な手続きをする必要も一切ありません。
一時的な利用料の支払いも全く発生しないため、出来る限りこの段階で不正利用には気づきたいものです。

請求額確定後に気付いた場合

毎月の請求が確定し、明細書が郵送された後に不正利用に気づいた場合、こちらも同じくカード会社への速やかな連絡が必要となります。
しかしこの場合、連絡をした時期によっては不正利用分も一時的に支払いを行い、後日改めてカード会社から返金を受ける形になることもあります。
支払日を先に延ばせることがメリットであるクレジットカードで、一時的とはいえ利用していない分の代金も支払わなければならないのは本末転倒です。
これを防ぐためにも、不正利用にはなるべく早く気づき、速やかなカード会社への連絡を心がけるようにしましょう。

まとめ

クレジットカードの不正利用について、ご紹介致しました。カードそのものが盗まれていなくても、番号だけで決済が可能であるため、不正利用が決して縁遠い話ではないことがお分かりいただけたかと思います。
けれども、不正利用を恐れてカードの利用を手控える必要は全くありません。記事中でご紹介した通り、クレジットカードには盗難保険が設定されているため、仮に被害に遭ったとしても金銭的な損害は一切発生しないからです。

とはいえ、カードの番号が変わったり面倒な手続きが必要になったりと、かかる手間が大きなものであることは否めません。
これを防ぐためにも、怪しいサイトでのカード利用を控えたり、利用明細は判読できない形で処分するなど、私たち利用者も十分に自衛することが必要となります。